2012年1月18日 (水)

避難可能な人数、町は気が付いているか?

震災以来、今なお防災対策のニュースや、

被災地の現場からの情報が伝えられている。

一方で自分たちの街の防災への意識も、

上がっているのは確かに感じているが、

それは正しい前提に立った根拠ある防災対策へと、

本当に繋がっているだろうか?

先日、Facebookに、私が新たに取り組み始めた試みに、

予想以上の反響をいただいたので、

このBLOGでも紹介することとした。

結論から言えば、

静岡市駿河区の沿岸部の住民人口に対して、

津波を回避できる場所は足りない。

人一人が避難すると、避難所の1㎡/一人が必要となる。

東名以南の沿岸部人口は約5万人。

東西両端には背後に山を抱えているため、

山へのルートを確保すれば全人口の避難に足りるが、

駿河区のほとんどは、土地は細分化されており、

そこには津波から身を逃がせる程の高い建造物は、

事実上、法律上、建設不可能なのだ。

私の見たところ、最低少なくとも必要となる5万㎡に対して、

恐らく2~3割程度しか高い場所はない。

にもかかわらず、行政も報道も、

大きく揺れたら5分で逃げろ、と駆り立てる。

憤りを抱えながら、普通なら気が付くはず。

『どこに?』

この現状をまず、誰が見てもわかる地図に落とし込む。

もちろん、行政も沿岸部の高台を新たに避難所指定したり、

タワー建設に取り組んだりしているが、

指定した半径300メートル程度以内でなければ、

住民はそこへ辿りつけないことになる。

今回の取り組みは、

議員が支給されている政務調査費を利用して、

専門業者へ、こうした情報を整理、地図への落とし込みを委託、

公開しようという試みだ。

基礎情報としては、

行政が発表している被害想定をもとに、

これに該当する地区の高台面積と人口とを比較、

道路の幅員等を網羅して、

誰がどこの高台へ逃げるのが一番近いのか、

誰が見てもわかるような地図を作製する。

完成は2月末を目標に。

各自治会や自主防災、消防団の方々に配布して、

それぞれの今後の防災対策に活路を見出してほしいと思っている。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2012年1月 7日 (土)

FaceBookで懐かしく嬉しい再会

FaveBookを始めてそろそろ1か月。

PCの操作もインターネットを活用するのも、

こうしてBlogを続けるのも、

テレビで予約録画をするのも、

あまり得意ではない私が、最近は少しFBにはまっています。

そのおかげか、元旦に嬉しい再会がありました。

私は九州の大分県で生まれて、

小学校卒業間近にこの静岡にやってきたのですが、

メッセージを送ってくださったのは、

小学校4年生当時の担任の先生。

180㎝を超える長身と草刈正雄さん似の先生の面影は、

今でもはっきりと覚えています。

学校が終わるの帰りの会で、

今では懐メロで名曲になってるような、

小学生には少し大人びた流行歌をみんなで歌い、

ドッジボールでは先生の早いボールを取れるかどうかが、

子供たちの一番大きな関心事で、

理科の授業では神社の境内に行って、

カブトムシの幼虫を探していました。

先生という職業がいつも子供たちのすぐ傍にいてくれた時代です。

当時、先生が直してくれたお箸の持ち方も、

靴のかかとを踏むなということも、

忘れ物をするなということも、

38歳の大人になった今でも、

色んな意味合いを持って教訓になっていると思います。

と言っても、携帯電話をいつもどこかに見失ってしまうので、

未だに守れていないことも多いのですが・・・。

私はやんちゃないたずら坊主だったので、

先生には、毎日のようにひっぱたかれていましたが、

今では本当にいい思い出です。

そして、強い男の子にしてくれたと思えるのです。

あれから30年が過ぎて、

教師への社会的な風当たりが強くなりました。

教育の現場には、

教員の心の問題から、保護者への対応、

評価制度の導入で増していく事務量など、

負担も課題もたくさんあります。

しかし、子供にとっての先生はやっぱりお手本です。

何年もたって、例え当時の先生の年齢を自分が追い抜いてしまっても、

先生の言うことは絶対で、

その教えはずっと残っていきます。

そう思っていられる方がきっと子供たちも幸せ。

今の子供たちも、

私が過ごせたような、

そんな先生に出会ってくれることを、

本当に願っています。

今度、九州に行ったら、迷わず先生に会いに行こうと思ってます。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2012年1月 5日 (木)

自分の目標を明確にする、意識する

一昨年の暮れに100個の目標を書き出した。

雑誌で向井千秋さんの記事を読んだからだ。

一年経って今年の元旦に振り返ってみると、

達成したものが27、手をつけて進めているものが61、

残りはまだまだ遠い夢というところだ。

様々な啓発本を書店やコンビニで目にするが、

大切なのは、目標を思いつくことではない。

毎日の暮らしの中で、時々ちゃんと思い出して、

その手応えを確認すること。

手帳の使い方も日々の業務報告も、

そして私たち議員の定期的な活動報告も、

こうした目標管理の大切なツール。

例年のように、おめでとう、と言う言葉で始めるには、

昨年の災害はあまりにも痛ましく、

私たちの街にも課題は残されたままだ。

自分の目標と仕事のなかに、

街の課題を丁寧に盛り込んで、

その進み具合を確かめながら過ごす一年にしたい。

雑務に意識を奪われず、意義ある仕事をこなす。

仕事の成果を評価する。

それが大事。

本年も、皆さんからのご意見をお待ちしています。

そして、幸多き一年となることを祈っています。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2011年12月20日 (火)

尖閣諸島ビデオを流した理由

20111219_183935_2

20111219_184623_3

昨日の夕方、清水で公演した一色正春氏。

昨年9月に発生した『尖閣諸島中国漁船衝突事件』で、

衝突当時のビデオ映像をネット上に公開した人物だ。

既に彼は海上保安庁を辞職しており、

現在は、こうして日本の領海問題について公演行脚をしている。

衝突事件から既に一年半。

今ではニュースでも取り上げられることはなくなったし、

私たちの記憶も次第に薄れてきた事件ではある。

しかし、尖閣諸島付近で今なお慢性化している中国漁船の違法行為や、

これを阻止できない我が国の領土意識の低さ、

そして、こうした真実を、

国民の財産問題として正面から取り上げようとしない報道の在り方は、

これからの日本の独立国としての尊厳に、とても大きな不安を抱かせる。

衝突事件から中国船長の釈放、その後の中国による報復措置など、

日本人として決して看過できない事件であったはずである。

一色氏が映像公開に踏み切った心情と、

今日に至るまでの公演行脚には、

領海で今なお続く侵犯の重大性と同時に、

私たち日本人に内包する危機への無知があるだろう。

あらゆる情報が氾濫するなか、

日本人の未来に何が大切な事柄であるか、

我々政治こそが、語るべき事項の取捨選択のなかで、

その優先順位を間違えてはならないのだ。

近隣諸国の経済成長は、同時に軍事費の増大を意味し、

相対的に日本の国防力を低下させているという国際の現実を、

私たち保守政治家を自称する者は、

もっと真剣に考え、発信し、

本来政治が果たすべき国民の生命と財産を守るということの重さを、

痛感しなくてはならないのである。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2011年12月 1日 (木)

地方議会のしくみ

昨日から12月の定例県議会が始まった。

国の第三次補正予算を受けての12月補正議案186億円余に加え、

知事や議員、職員の給与減額などの条例改正案が上程された。

地方議会は通常、

年に4回の定例会と5月に人事等の臨時会が開かれている。

これは、市も県も、全国概ねこのパターンだ。

6月の定例会では、通常国会を経て可決される国の予算を受けて、

既に可決していた地方当初予算を補正するのが主な議案となり、

9、12月の定例会は、決算審査や国の上半期補正予算を受けて、

地方議会でも予算を補正したり、

年度途中に新たな課題となった事項への対応や、

災害対応などが議論されることが多い。

そして、年が明けての1~2月の長い定例会では、

来年度の予算編成が行われる。

年4回の定例議会の会期は、概ね25日前後だが、

その中で、議案の上程説明を聞く初日の本会議、

議員から当局への質問が行われる本会議が4~6日、

そして、議案審査を行う常任委員会が2~4日程度、

最後は、審議を行う本会議で閉会となる。

静岡県議会では、一人の議員が当局への質問が行えるのは年一回。

時間はわずか25分で、1秒の超過も許されない。

議員が選挙で主張してきたことや、

時事の課題を当局と公開された本会議で議論できるのは、

この質問の際であり、貴重な場面と言わざるを得ない。

今年度の私の質問は、既に先の9月定例会で行ったが、

この準備には、どの議員も事前の調査から、情報の収集、

担当者を交えての事前協議にはかなりの時間を費やす。

本会議の幹部職員の答弁を通じ、

自己の提案がどの方向へどのように採用されるのか、

或いは、何故前向きな答えを引き出せなかったか、

その理由を確認することとなる。

さて、今回議会日程は以下の通りで、

私が所属する自民改革会議からは、

6日に、藤枝市選出の落合県議が代表質問、

8日に、塚本、吉川県議、

9日に、藤堂、和田、竹内県議、

12日に、伊藤、安間、天野一県議が、

それぞれ質問を予定している。

【12月定例議会日程】

11/30(水)10:30 本会議(議案上程、説明)

12/06(火)~12(月)10:30 本会議(代表、一般質問)

12/14(水)~15(目)10:30 常任委員会(議案審査)

12/21(水)10:30 本会議(審議)

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2011年11月29日 (火)

国に対する提案・要望事項の説明会…静岡市

Dscn5645_20

今日は、田辺信宏市長の声掛けで、

市内出身県議が参加した、

『静岡市の国に対する提案・要望事項の説明会』が開催された。

市内選出県議のうち8名が出席し、

市当局からは、市長をはじめ、剣持議長、井上副議長、

経営管理局、財政局の方々が参加。

田辺市政が始まって、6月に続いて今日で二回目。

90分の会議時間は、前半30分程が説明で、

後は自由な意見交換の場となる。

内容は14項目と多岐に亘り、

道路、港湾、日本平、新エネルギー、南アルプス、治山治水などについて、

市が国の同意を持って進める事業の提案や、

国の補助金を申請する内容となっており、

私にとっても、特に道路や治水については、

市議会議員時代から関わってきた事項もある。

私たち県議にもこうして説明の場を用意していただいたことは、

本当に貴重な取り組みで、なぜなら、

要望の中には、県と歩調を合わせて、

等しく国に要望しなくてはならない事柄も多いからだ。

さて、折しも9月の定例県議会で、

グランシップの活用と経営改善を通じて、

本県、本市への国際的なコンベンションの誘致を提案、

質問を行ったところであったが、

今回、特に目玉となる、画期的な政策提案が市から示された。

既にプロジェクトとして準備も進んでいるようであるが、

日本平への『第24回国連軍縮会議』誘致である。

参加規模は概ね100名前後と、それほど大規模な会議ではないが、

実現すれば、本市初の本格的な国際会議となる。

今後地方都市が、観光やコンベンションによる人集めで、

都市の活性化を図るなら、

こうした誘致は、市民、県民にとっても、

おもてなしの貴重な練習の場ともなるし、

言語体制や来客者の消費動向、観光趣向など、

貴重なサンプルが手に入る。

是非とも実現に向け私たち県議団も協力していきたいところだ。

今後、正式にこれが決まる見通しが立つなかで、

今後は、警備の問題、アフターコンベンションのあり方についても、

いずれにしても県政がサポートすべき事項はたくさん出てくるはず。

丁寧に情報を収集しながら、

本市観光や誘客の現場で汗を流す、

あらゆる事業者や団体の方々とも、

協力してこの動きを迎え、市政への協力をしたいと思う。

Dscn5644

| | コメント (0) | トラックバック (0)

駿河湾沿岸部の課題 ①久能西平松地区

東日本大震災と台風による被害で、

地域の防災意識が高まる一方、課題は山積するばかり。

今日被害現場の現地調査へ行ったのは、久能の西平松地区。

今秋、二度に亘って本県を襲った大型台風の爪痕は深く、

倒木被害は広範囲に渡り、未だ通行規制が敷かれたままの山道や、

倒木処理の予算化すら目処が立っていない地域もある。

地元市議の伊東稔浩先生の声掛けで集まった地元自治会の方々や、

市の関係部局の職員約10名。

湾内の潮流によって発生する土砂の堆積のために、

駿河湾に注ぐ地域河川の雨水流出が停滞し、

海岸線の大規模な修繕工事が必要となっている箇所に加え、

先の台風による山地の土砂崩れで、

住宅や畑のすぐ傍まで倒木が押し寄せている被害が残っている。

この地区の住宅地は、

海岸線から僅か100メール余りのところにあり、

住宅の北側には東西に延びる山地が背中合わせに迫っている。

本県の駿河湾沿岸部にはこうした地域が非常に多く、

津波対策としての避難地の確保も大きな課題だ。

西平松の人口は460人。海抜は4~5m程度。

一人当たりの避難面積は2/3㎡だとすると300㎡、

つまり約90坪の広さを持つ、

高さ10メートル以上の避難場所が必要となる。

更に、久能地区が苺の産地でこれが春の観光資源となり、

この時期、沿岸部の国道150号線BPは連日渋滞する。

観光客の避難をも考慮すれば、

必要な避難地面積は100坪以上となるはずだ。

最近よく耳にする津波タワーの整備などでは、

とても賄いきれるものではない。

農業を中心に町を形成してきた久能地区の道路幅は狭く、

今回のように倒木を処理するだけでも、

大型車輛や重機の出入りが可能となる道路や

工事ヤードの確保も容易ではない。

今私は、こうした沿岸部の地区の人口と

高台面積の照らし合わせ作業を進めているが、

進めれば進めるほど、津波対策がいかに困難な状況にあるかを

思い知らされる。

早急に事態を正確に把握して、

地区ごとの防災目標を定めなくてはならない。

今回の西平松地区は、幸いにも自治会の方や住民の危機感も強く、

この思いが熱いうちに、確かな方向性を見つけて、

第一歩を踏み出したいところだ。

Dscn5636_4

Dscn5637_5

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2010年8月17日 (火)

静岡市でも取り入れたい、岡山市の道徳教育

すっかり、久しぶりのブログですが、

あまりにも更新してなくて、あちこちから批判を浴びたので、

今日は、最近見つけた、ちょっと紹介したい岡山市の事業について書いてみます。

これまで、更新してないブログに訪問してくださった皆様、

心からお詫び申し上げます。

先週8/9~11までの二泊三日、市議会の常任委員会視察で、

最終日に岡山市を訪問しました。

全国的に子育て支援事業というと、

とかく子どもの権利や子ども手当などが目立った話題になってますが、

岡山市は、子どもたちが自然に、『道徳性や規範意識』を育むことを目的に、

『心豊かな岡山っ子育成絵本作成事業』というのを展開しています。

予算規模は僅か800万円というさほど大きな事業ではありませんが、

作成された絵本を一読し、是非とも本市の教育施策の一環に、

取り入れるべきと思ったのです。

事業の概要は、幼稚園、保育園の園児を対象とした絵本を、

保育士や保護者で構成する編集委員が作成、市教委が監修し、

更にロータリークラブや福武教育振興財団などが助成。

本市でも行っている、『こんにちは、赤ちゃん事業』の訪問時に、

(乳幼児を育てている家庭への相談員訪問事業)

読み聞かせに使ってくださいと、保護者に無償で配布。

もちろん、幼稚園や保育園でも貸出しや読み聞かせを行っており、

これには、中学生のボランティアまでが参加しているとのこと。

そして、私が最も感心したのが、絵本を読んだ後に、

自然と子どもたちが、道徳心に気がつくという内容になっていることです。

これまでに作成された、絵本は10話。

これは、岡山市長の施政方針で打ち出されたもので、

強いリーダーシップと、政治家としての信念が分かります。

それぞれの絵本の中に盛り込まれた道徳的な題材は、

挨拶、お手伝い、我慢する心、動植物を愛する心、

規律ある生活、善悪の区別、物を大切にする心、

お年寄りを大切にする心、嘘をつかない、生命の大切さ、

の10項目で、絵本を読み終わった後に、

温かく、これらのテーマが心に染み込んできます。

政令市静岡にも、こうして他都市の事例を見てみると、

まだまだやっていない事業、取り入れたい事業が見つかります。

以前、静岡市議会でも、同じ自民党の三浦雅司議員が、

本市の道徳教育の現状を質したことがありましたが、

当局から紹介された実践事業はほとんどなく、

本市教育委員会でも、道徳心を養う事業については、

ほんとにまだまだ模索中です。

連日のように報道される、事件や事故の背景には、

現代のモラル低下があると指摘されて既に久しく、

一向に改善の気配も感じられません。

些細な一歩かもしれませんが、早速、本市当局にも紹介しながら、

静岡市でも、一つの道徳教育を提案し、実現していきたいと思います。

ぜひ、子育ての現場で活躍されている皆さん、

お子さんに普段から絵本を読んであげているお父さん、お母さん、

そして、日本の教育について、日々協議を重ねてくださっている皆さん、

一度、岡山市の絵本を手にとってみてくださいね。

私も、機会あるごとに、紹介していきたいと思います。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2010年3月 2日 (火)

今度の質問は、3/9予定です

2/15から始まった定例議会。

40日間に及ぶ長い会期。

今はちょうど中間期で、

今年度最後の補正予算審査が終わり、

市長の施政方針演説と来年度当初予算の上程を受けたところ。

私たち市議が質問に立つのは、

3/8~11の4日間。

今回の質問者は、4会派の代表者を含む25名。

私は代表質問終了後、最初の総括質問で、

日程は、3/9の午後1時の予定。

私の場合は、突発的な災害や事業がない場合には、

選挙時に作成した『私はこう動く2009』に掲載した、

選挙公約を一つずつ議会で提案していくようにしている。

今回、取り上げるのは観光問題とバス交通。

観光は昨年9月議会でも取り上げたため、今期2度目だ。

勤勉な労働で輸出を頼りに成長を続けてきた日本経済は、

海外への製造拠点移転にアジア諸国の台頭で、

既に大きな曲がり角を越えた。

国も都市も企業も同じ。

豊かさを守るためには、

モノを創って外で売るか、人を集めて消費を起こすか、

この二つしかない。

グラスの中に入った水を経済に例えれば、

かき混ぜるのが内需、注ぐのが外貨流入だ。

増やすには注ぐ方法を確立して成功するしかない。

情報が経済に一つの景気をもたらしてから、

今や新産業の視線は、環境と観光に向けられている。

静岡市も、来年度からいよいよ

『観光戦略』の具体的アプローチに入る。

私が取り上げるのは、静岡の歴史が積み重ねられてきた、

地元長田の丸子地区の文化財活用と観光客誘致について。

今回は、地元の観光史跡や文化財の現場、

そして岡部から丸子宇津ノ谷へ抜ける山道を歩き、

多くの方に現場の声を聞いてきた。

その声を議会で提案して、

年間40万人の丸子地区観光客を増やす方法を探す。

二点目は公共交通。

市内を走行するバス路線へ、

毎年1億円以上を赤字補填しているのが実態。

交通弱者への公共交通維持がその根拠だが、

赤字補填と運営委託は異なる。

赤字の補填だけでは、

バス車両や停留所の改善に新規投資はできないし、

路線のルート見直しもその財源を生み出すことができない。

もっと、この街の新しい時代に相応しい

バス路線があるのではないか。

地方都市では、

地域住民やNPO、新たなバス会社の参入で、

地域社会に密着した、

小型、小回り、低料金のコミュニティバスが誕生し、

次々と成功を修めている。

全ての路線が中心地に向かって逆放射線で整備された静岡。

例えそれが、他の公共交通機関のルートと競合してきても、

維持することだけが先行してきた。

来年度予算には、LRTなどの調査予算も上程されている。

新しい交通網が整備される時がきた。

一つずつ、丁寧に提案を重ねて、約束を果たしていく。

| | コメント (1) | トラックバック (0)

2010年3月 1日 (月)

避難勧告を受けて、マニュアルにない動き

一昨日発生したチリ地震から丸一日、

昨日のNHKは終日、津波の到達情報を報じていた。

これは皆さんもご存知の通りだ。

静岡市でも駿河湾沿岸の14地区に避難勧告が発令された。

到達予想時刻は午後2時。

およそ1時間前から東名自動車道、国道150号は通行止め、

そして市内の私鉄が運行を中止した。

結果から見れば、警告を下回る規模での津波到達であったが、

地域によってはやはり市街地への浸水が見られたところもあり、

報道された以上の情報を持たなかった地域社会としては、

やはり勧告通りの準備をしなくてはならない状況だった。

さて、そんな一日の私たち市議の動きは概ね以下の通りだった。

まず、前夜から気になっていた情報をテレビで確認し、

市の議会事務局へ、避難勧告が出された地区の詳細を確認。

私の住んでいる地域から沿岸部はそう遠くない。

午前11時から沿岸部の避難地となっている小学校3校や、

地域の公民館での自主防災や自治会の様子を見に行く。

突発的な被災ではなく、

今回の場合は予め避難勧告が出されるという、

極めて準備しやすい防災対応のはずだったが、

地域によって、その取り組み具合、

避難住民の様子は異なっていた。

約半年前の8月、静岡県を襲った駿河湾沖地震。

早朝5時7分の発生で、多くの市民が東海地震を予期した。

市民の不安を和らげるための正確な行政からの情報発信、

同報無線が聞こえない地域への情報伝達手段、

災害対策本部と地域防災との連携や役割分担など、

多くの課題に直面し、私は9月の議会でこれを取り上げた。

果たして、今回の津波に対する対応には、

どれほどの改善があっただろう。

地域の巡回を終えた、13時50分。

災害対策本部が置かれた市役所へ。

本部には市長をはじめ、市幹部職員が揃い、

各地区の避難状況を確認している。

その一方で、私の携帯には地域住民からの問合せが。

どうしたらいいのか?

『広報しずおか』が聞こえない。

そんな声があった。

行政サイドには、やはりまだまだ多くの課題がある。

我々市議のところへさえ、市からの情報伝達はメール情報だけで、

双方のコミュニケーションが確立されていない。

とはいえ、私が地域の巡回で見知った、

地域防災組織の活動展開は、

本当にありがたく、頼もしいものだった。

休日は住民の憩いの場、遊釣の場となる海岸付近には、

地域消防団の車両が停車、

団員の方々が海岸から住民を避難させ、

進入路で注意を呼びかけている。

同報無線が聞こえにくいところでは、

自治会長がハンドマイクで避難を呼びかけ、

公民館の放送機材で繰り返し非難を伝える地域もあった。

こうした活動が、地域防災のマニュアルに載っている訳ではない。

住民の方々が自らの判断で、

思いつく限りの活動を行ってくれたのだ。

大きな被害がなかったとはいえ、

こうした局面で、行政も住民も、何をしたかが試される。

私が9月に提案した事柄も、まだまだ未完成のままだ。

大切なのは、行政と地域とが、

正確な情報を共有して、役割を自覚し、

最善の効力を発揮すること。

その繋ぎ役が、私たちの仕事だ。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

«本当の自民党を伝える、実践する